逆水の幻
saka mizu no maboroshi






 
 武蔵国、山間に囲まれた小さな村に、ある日都からの商人が訪れた。
 荷駄の中に妖気を感じて彼らに声を掛けた弥勒が、自らお払いを申し出たのは今より半刻ほど前の事である。
 「妖鳥の羽?」
 「はい、何でも大陸の妖怪鳥の羽を粉にしたもので、若返りの秘薬なんだとか」
 問い返す法師に、総領らしき男が説明する。
 「なるほど、で、道中何か変わった事は?」
 「特には。品の方も妖怪の一部って事で、気味悪がって誰も買わねぇんでさぁ」
 奈落に抑えられていた妖怪たちが暴れ始めた昨今、この辺りの村の人々は妖怪というものに対してあまりにも過敏になっている。どんなに画期的なキャッチフレーズがあったところで、そんな物を持っているという事実そのものが忌避の対象となることは言わずもがなであった。
 「と言う事は、それを持っている事で人に害が及ぶわけではないと…」
 「はい…」
 商人達にしてみれば、珍しい掘り出し物として持ち帰ったものの、これでは商売どころかとんだ厄介物である。
 「わかりました、譲り受けましょう」
 「宜しくお願いいたします」
 深々と礼をして、村を去る商人達―――それが災いの始まりであった。







 「犬夜叉、これ持って。あとそれも」
 日暮家、台所。
 こちらの世界へ戻って来るたび、かごめは大量の菓子やカップ麺を買い込んでくる。メーカーや種類によって味や風味も違うのだと判別がつくようになった犬夜叉達の味覚に合わせ、最近では大体同じパッケージのものを買うようになった。
 「おい、まだか〜?」
 犬夜叉の待ちくたびれた声がかごめを呼ぶ。
 「これでよしっ、じゃあ行きましょ」
 「ったく、どーせ半分くらいは楓ばばあのとこで食ってから行くくせによ」
 「だってこんな大荷物持って旅なんてできないじゃない」
 「だったら最初から持ってかなきゃいいだろーが!」
 「何よ、あんたあたしのお弁当よりカップ麺の方がいいんでしょ」
 けんもほろろに言い返され(ついでに睨まれ)、犬夜叉は咽喉から出かかった怒声を思わず飲み込む。惚れた弱みも手伝って、口では決してかごめに勝てない半妖であった。
 「ちょっと二人とも、戦国【むこう】に行く前から喧嘩してどーすんのさ」
 毎度の事ながら、どうもこの二人の遣り取りは進展しない。その様子を些か冷めた目で見つつ、草太は仲裁に入る。
 戻って来るたび喧嘩ばかりしている姉達を見ても、二人の仲が悪いなどとは思えなくなり始めた今日この頃だ。
 このぽんぽんと気持ち良いくらいに始まって終わる口論が、実は彼らの一番のコミュニケーションの方法なのだろう。
 結構率直にずけずけと言い合っているが、もちろん本気で相手を憎んでいるわけではなく、その程度の失礼は許されるという事が前提にあるのだ。
 第一、口論の内容はいつもいつも他愛ない。慣れてくると、端で見ていて笑いさえ込み上げてくる。
 何と言ってもあの必殺技がある、決着はどうやってもかごめの一言で終わるのだ。今日はその言葉を聞くことは無かったが、確か昨日は言っていた。
 「じゃあ、行って来るわね草太」
 「行ってらっしゃい」
 全く、忙しい身の上である。受験勉強と妖怪退治を両立する姉の真似など、逆立ちしても不可能だとしみじみ思う弟であった。
 






 粉末であるが故、屋外では風で飛んでしまう可能性がある。そのため殆ど誰も使わない納屋を借り、壇を設えた。
 禊を終え、霊力を静かにたゆたせた弥勒はその場所へ座し、誦経【しょうきょう】を始める。
 印を結び、符を燃やし、高槻に盛られた粉の妖気を浄化していく。
 「ただいま、珊瑚ちゃん」
 「お帰り」
 「弥勒様は?」
 「今向こうの小屋でお払いしてる。少し時間が掛かりそうだって」
 「そう。またお茶とお菓子持ってきたんだけど、後で持って行けばいいか」
 そんな、いつも通りの会話が交わされる中、小屋の中では静かな攻防が繰り広げられていた。
 未だ妖気は鎮まる兆しを見せない。だがこの場の空気を嫌がっているのか淡く発光し始める。
 (―――しぶとい…)
 炎のついた破魔札を被せ、少しずつ燃やしていく。
 ジジ…と粉の焦げる音がした。
 『……き、ゆか…む―――時、退き行かむ』
 微かな声。
 法師の呪を唱える声音が速さを増す。一言一句違える事無く、刻まれていく。
 『時の、流れ…溯る―――逆上るモノ…来タ……』
 呟くように発した後、やがて粉は反応しなくなった。
 弥勒は周囲の妖気を探る。
 何の気配も無い。格子の窓から入ってきた微風が、高槻に盛った表面の粉をさらさらと零して運んで行った。
 (鎮まった…か)
 ほっと息を吐き、片付けの手伝いを頼もうと筵を絡げる。
 俄かに、狼狽したとしか思えない犬夜叉の声が聞こえた。
 「な、何がどうなって…おい、かごめ!」
 すわ何事かと弥勒が楓の小屋へ急行すると、そこにはセーラー服姿の女童がいた。
 ただし、スカートは地面に落ち、ぶかぶかの上着だけがすっぽりと全身を覆っているという出で立ちで。
 更に何よりも決定的なのは、彼女の容貌であった。
 「ま、まさか…」
 つまり、これは、何と言うか…。
 あの粉の効能は、確か若返りの秘薬だったはず。
 という事は、そういうことなのか。
 犬夜叉も珊瑚も七宝も、信じられないといった表情で女童を凝視している。実際弥勒も似たような状況であった。
 幼女はきょときょとと周りを見回し、可愛らしく首を傾げて誰にともなく訊ねた。
 「ママどこ?」
 「か、かごめ様……?」
 一体、どうしろと言うのだこの状況。



 「ねぇ、ママは?」
 たっぷりと数秒間固まった後、ようやく我を取り戻した弥勒はかごめに歩み寄る。こんな姿のかごめを実家に帰せば家族がどれだけ仰天するか、想像に難くない。
 『ママ』というのは、確かかごめの国では母親を呼ぶ時の俗称だった事を思い出す。
 「ええと、かごめ様の母君はですね、今用事で遠くへ出かけてるんですよ。故にかごめ様の事は我々が暫く預かる事になったんです」
 「ふぅーん。で、おにーちゃん誰?」
 あっさり信じてくれたようだ。もともと人を信用し易い性格であったのだが、子供ともなれば何の疑問も抱かないのだろう。
 「私は弥勒と申します。こちらは珊瑚に七宝、こっちが犬夜叉ですよ」
 紹介され、犬夜叉の方を見上げたかごめは目を真ん丸く見開いた。しかもきらきらと瞳を輝かせ始め、あろうことか嬉しそうに犬夜叉を指差し、一言。
 「犬オバケ!」
 「誰がオバケだっ!」
 間髪入れず犬夜叉は怒りを露にして怒鳴るが、夜叉も立派なバケモノである。意味的に何ら間違ってはいないのだが、開口一番にお化け呼ばわりでは怒りたくもなるというものだ。
 しかし、犬夜叉の怒りは長続きしなかった。
 怒鳴られた瞬間、かごめの顔が強張り、唇が戦慄【わなな】く。
 犬夜叉は大いにうろたえた。いつもなら、それでも何か言ってやれば済むのだろうが、今の相手は子供なのだ。わたわたと犬夜叉が慌てているうち、遂にかごめの目元にはじわぁっと大量の涙が湧き上がってきて溢れた。
 「…っう、ふぇ…ひっく」
 「お、おいっ、何も泣く事…」
 「ふえぇぇっ、怖い〜っ!」
 泣きながら助けを求めるようにかごめが駆け寄ったのは、よりにもよって弥勒の懐であった。
 笑顔で優しく接してくれる人に子供は懐く。当然の心理である。
 弥勒によしよしと頭を撫でられ、落ち着かせるようにぽんぽんと背中を叩かれると、かごめは袈裟にぎゅっとしがみつく。
 瞬間、犬夜叉の表情があからさまに引きつったのは言うまでもない。
 「…でも、どうするの?かごめちゃんがこれじゃ旅なんてとてもできないよ」
 珊瑚が至極真っ当な意見を述べると、弥勒も困ったように相槌を打った。
 「しかし、こっちの調伏は完了してますからねぇ。とにかく昨日の行商の者達を追いかけて、事情を説明するしかないでしょうな」
 「そうだね、早い方がいいよ。行こう法師様」
 「ああ、では犬夜叉、後は頼みます」
 言いながら、弥勒は腕の中のかごめをぐいと犬夜叉に押し付ける。
 「っておい、おめーら何勝手に…」
 犬夜叉が反論しようとした時には既に、雲母は地を離れていた。
 気まずい沈黙が流れる。
 だが、意外にもかごめは大人しく犬夜叉の腕に収まっている。
 「かごめ?」
 訝しく思い顔を覗こうとすると、かごめは完全に犬夜叉に身を預け、すやすやと寝息を立てていた。
 やはり子供なのだ、どうやら今しがた泣いた所為で疲れて眠ってしまったようである。
 犬夜叉は脱力し、深々と嘆息した。
 人の心配をよそに、無邪気に眠る幼いかごめはあどけなく可愛らしいが、犬夜叉にしてみればこの如何ともし難い状況は、殆ど針の筵に近い。
 第一犬夜叉には断じて、幼女を相手にする趣味など無い。
 でも、どんな姿でも、かごめには変わりないのだ。事実犬夜叉の生きてきた年月と比べれば、ジジイと赤ん坊どころではない歳の差がある。もっとも、半妖と人間では、年月の感覚自体が異なるものなのだが。
 だからと言って、こんな小さな子供を恋愛対象として見ろというのも道徳的に問題である。
 行き場の無い感情を持て余し、再び犬夜叉は大きく溜息を吐いた。







 「犬夜叉ぁ、お腹空いた〜」
 甘えるような声で空腹を訴えるかごめに、手枕で横になった犬夜叉は相変わらずの仏頂面で顎をしゃくってリュックを示す。
 「あの中に菓子があるだろ」
 「ごはんは?」
 「楓ばばあが戻ってくるまで我慢しろよ」
 素っ気無く言うと、かごめはぷうっと頬を膨らます。村人のお下がりである子供用の小袖を身に付けたかごめは、口を尖らせたまま別の事をせがむ。
 「じゃあ遊んで」
 「七宝と遊べばいいだろ」
 「何で?」
 「俺はガキとじゃれ合う柄じゃねーんだよ」
 「いーじゃん、遊ぼ?」
 夕刻前に目を覚ましたかごめは、犬夜叉に構ってもらおうとずっとこんな調子である。そして犬夜叉は色々と複雑な心境を抱えたまま、できるだけかごめから距離をおこうとしていた。
 子供の扱いなど知るはずも無い。七宝などは妖怪で、男の子であるから多少乱暴に振舞っても支障は無いが、かごめとなると勝手が違う。
 泣かせる訳にはいかない上、傍にいてもどうする事もできない。何より恋愛対象として見られていないのが辛い。
 それなのに、かごめは執拗に犬夜叉に構ってコールを送る。少なくとも嫌われてはいないらしいが、この分ではいずれ愛想を尽かすだろう。
 暫くじっと黙っていたが、かごめは土間で草履を履くと、外へ駆けて行ってしまった。
 そうして犬夜叉はゆっくりと息を吐き出す。
 板間に仰向けに寝転がって、茫洋と天井を見つめた。
 とことん自分で自分が厭になる。八つ当たりだと、わかっていても止められなかった。今までとは明らかに違うかごめに戸惑って、なんの躊躇いも無く無防備に接してくるかごめを、受け入れる事も突き放す事も怖かった。訳のわからない感情に振り回されている。もどかしくて、腹立たしい。



 「何じゃ、お主だけか?」
 「ん…?」
 老婆のしわがれた声に目が覚める。どうもあのまま寝てしまったようだ。
 気が付けばもう闇が迫っている。だが小屋の中に七宝とかごめの姿は無かった。
 「あいつらまだ戻ってねぇのか…」
 「七宝なら、村の子供達と遊んでおったが?」
 「かごめは…かごめに似た子供がいなかったか?」
 「はて、いつもの顔触れじゃったと思うたがのう」
 (―――あの、バカ……)
 立ち上がり、鉄砕牙を腰に差すと、犬夜叉は筵を絡げて飛び出してゆく。
 空には下弦の月、それでも今のかごめには慣れない暗闇であろう。
 村の周りは必ずしも安全とは言えないのだ。あんなに幼い子供が一人でいるなど野盗や妖怪に襲ってくださいと言っているようなものである。
 何も知らないかごめを一人にした…また、自分の内情にばかり捕らわれて、かごめがどれだけ心細い目をしているか見ようともしなかった。
 (畜生…どこにいるんだ、かごめ…)
 村の家々、裏山、川原、骨喰いの井戸。
 かごめの匂いを辿って着いたのはその場所だった。御神木の方から、微かな泣き声が聞こえる。
 「ひっく、うぇ…ぅ」
 (…結局この場所かよ)
 何とも毎回因縁めいたものを感じさせてくれる木である。
 どうやらこの木に登ったはいいが、降りられなくなったようだ。
 がさりと藪を掻き分ける音に、かごめがびくりと硬直したのが判った。
 「…かごめ、俺だ」
 「い、いぬ…や、しゃ…」
 僅かな月明かりに、犬夜叉の銀髪が照り映える様を見て取って、かごめは気が緩んだのか既にぼろぼろになっていた顔を更にくしゃりと歪めた。
 「犬夜叉ぁ〜っ!」
 「ちょっと待ってろ」
 その場所から軽く跳躍した犬夜叉は、あっという間にかごめのいる枝まで辿り着いた。
 片手でひょいと小さな身体を抱き上げ、重さを感じさせない所作で地面へ降り立つ。
 「ひっ、ひっく、うぇぇぇ…」
 未だにぐずって泣くかごめの頭を撫でてやり、妙に複雑な気分になりながらもそのまま歩き出す。
 「ホラ、もう泣くなって。楓ばばあが飯作って待ってんぞ」
 「……」
 かごめは黙ったまま、こっくりと頷いた。







 犬夜叉がかごめを連れて帰ってきた時、さすがに楓も驚いていたが、すっかり犬夜叉に懐いてしまったかごめの様子にこれといった詮索はしなかった。
 犬夜叉の膝の上に陣取ったかごめは、楓の作った芋の汁を美味しそうに啜っている。一体何がそんなに嬉しいのだか、始終にっこにっこと笑みを絶やさない。
 もう無碍に扱われたりしないからだろうか、それとも犬夜叉の膝の上がよほど居心地がいいのか。
 どちらにせよ、仲の良いに越した事は無い。
 「ねー犬夜叉、おしっこ〜」
 「厠くらい一人で行けっ!」
 「だって暗いんだもん」
 「ったく…」
 かごめにせがまれ犬夜叉は渋々立ち上がる。本来なら考えられない会話である。
 用を足して戻ってくると、今度は共に寝ると言ってきかない。
 「やだ、一緒がいいの」
 「駄目だっつってんだろ」
 「やーっ、犬夜叉と一緒に寝るの〜っ」
 「ワガママばっか言ってんじゃねェ!」
 既に恋人同士の会話とは遥か彼方の押し問答である。犬夜叉の口調が娘を躾る父親っぽくなっている気がしないでもない。
 しかしかごめも負けてはいない、もともと頭の回転の速い子である。作戦を変更して色仕掛けへと移行したらしい。
 「ちゅーしてもダメ?」
 「だっ、駄目に決まってんだろーが」
 口ではそう言いつつも、一瞬ぐらっと来たのは否定できまい。
 「犬夜叉、かごめが嫌い?」
 「だから、嫌いとかそーゆー事じゃ無くてだな」
 「嫌いじゃないの?」
 子供は率直だ。疑問に思う事や自分が納得できない事があれば直ぐに訊き返す。楓や七宝のいる手前、犬夜叉は冷や汗をかきながら応対する羽目になる。
 「き、嫌いじゃねぇよ。(て言うかむしろ好き)いいから言う事聞けって」
 「うん」
 頷いた、かごめの小さな顔が近付く。
 そして、何の前触れも無く。
 ちうぅ〜っ
 「〜〜〜ッ!?」
 ほっぺに吸い付かれた犬夜叉が我を取り戻すまでたっぷり数秒。
 「な、なっ…お前…っ」
 「おやすみ犬夜叉」
 とっても満足しましたとばかりに上機嫌で衾を被ったかごめは、すぐに寝息を立て始める。
 もしこれがいつもの15歳の彼女であったなら、お互いに間違いなく赤面する場面であるはずだ。
 だが、そのあまりにも無邪気な様子に、照れていいのか嘆いていいのか、甚だ困り果てる犬夜叉であった。
 「ったくよー、こんなガキ連れて歩いてたら殺生丸みてーじゃねぇか」
 それでも、不思議と厭ではない。
 恋人として接する事ができないのが辛いところではあるが、幼いかごめはよく笑い、泣き、拗ねて怒って、また笑う。
 「全然変わってねーな、お前」
 笑顔で人を幸せにするその本質が、失われる事は無い。



 けれど、その笑顔を独り占めすることはできない。
 ふわふわとし過ぎて、掴み所が無い。
 切なげな眼差しも、戸惑う唇も、甘い吐息も、今のかごめは持ち得ない。
 抱き締めて口付けたくても、どうしても衝動が途中で止まってしまう。
 どんなに傍にいても、どれだけ信頼していても。無理なものは無理なのだ。
 (バカは…俺だっけな……)
 弥勒と珊瑚は、どうしただろう。かごめを元に戻す方法を、聞き出せたのだろうか。







 翌朝、やはり子供のままであったかごめに半ば落胆していた犬夜叉は、戻ってきた弥勒と珊瑚のもとへすっ飛んでいった。
 当の本人であるかごめはと言えば、まだ眠そうに目を擦りながら、井戸端で顔を洗う。
 そして大人達の方へ視線を向け、待つこと暫し。
 「ぬわにぃ〜〜〜!?ってことはじゃあ何か?あと十日間も俺はかごめの子守りしなきゃなんねーのかっ!!」
 「もう戻らないと言われるよりはいいでしょう。それにお前一人に面倒見ろとは言いませんよ」
 どうやら話は纏まったようである。
 とは言え、この時点で既に犬夜叉にべったりのかごめが、彼の傍を離れるとは思えない。
 これから十日間きっかり、恐らく犬夜叉が疲れ果てて音を上げるまで連れ回される事は間違いないであろう。
 ご愁傷様である。